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フランスの芸術家は京都で何を学び、創るのかーー現代のジャポニスムのかたち
The New York Times Style Magazine:JAPAN 2020/07/09アーティストに一定期間、制作の拠点を提供し、作品づくりをサポートする「アーティスト・イン・レジデンス」制度。京都「ヴィラ九条山」は、長年、フランスの芸術家を対象にこのプログラムを実施してきた。彼らは京都で何を発見し、創作しているのかーー3組のクリエイターを取材した。
京都・山科区、天照大御神をまつる日向大神宮の参道の山腹に、コンクリート建築の「ヴィラ九条山」がある。フランスの芸術家や文化人が日本との知的な対話を深めるための場として、1992年、フランス政府の文化機関「アンスティチュート・フランセ」がつくった滞在型制作施設(アーティスト・イン・レジデンス)だ。
レジデンス・プログラムに参加できるのは、ソロ作家の場合、フランス国籍保持者あるいは、フランスに五年以上滞在している者。希望者は、京都における自身のプロジェクト計画を提出し、それが採択されれば3カ月から半年の間、施設内のスタジオを使って制作や研究を行うことができる。こうしたレジデンス施設はいまでこそ世界各地にあるが、ヴィラ九条山を特徴づけているのは、日本の大学や文化施設、クリエイターとのネットワークだ。竹細工や漆工芸、絹織物などの作り手たちと協業しながら、創作を行なっている作家もいるという。
「この理解できない気持ちが彼の好奇心をそそった」(本文引用)自分が暮らしている国や地域の慣習は、自身の価値観に大きな影響を与えている。違う国や組織に身を置くと、その多くは「理解できない」という状況に。その時に、ストレスを感じて拒絶するのか、好奇心を持ってそこから何かを得ようとするのかで大きく変わる。アイディアを出すヒントがここに。