- Roundup
余った果物の皮を生分解可能なバッグに。ドイツ発サーキュラーデザイン「Sonnet155」
IDEAS FOR GOOD 2021/05/25あなたは日々、どれくらいの食品を廃棄しているだろうか?食べきれずに腐らせてしまったものや、野菜や果物などの食べられない部分は、ほとんどの人が日常的に捨てているだろう。
農林水産省によると、2017年の世界の食品廃棄は13億トンにものぼる。日本の食品廃棄物も年間612万トンと、非常に多い。また、世界銀行が公開しているグラフによると、世界の廃棄物の半分近くを食品廃棄物が占めている。
今回は、そんな世界で問題となっている食品廃棄物を活用した、魅力的なアイデアを紹介したい。
ドイツの芸術大学の学生が開発した半透明でカラフルなバッグ『Sonnet155』は、廃棄予定の果物の皮を主な原材料としている。
このバッグは、製作者の地元のジュース工場で余った果物の皮と、同じく地元の繊維工場で余った短いセルロース系繊維から作られている。2つの異なる業界から出る廃棄物を同時に利用して作られているところがユニークだ。
廃棄果実の細胞壁から抽出されたペクチンは、天然の糸としての役割を果たしており、これを工場の製造過程でろ過されてしまう長さ5ミリ以下のセルロース繊維で補強。そしてこの混合物に温水を加え、型に入れて5日間置いた後、バッグの形に縫い合わせて、完成だ。革のような手触りで、作りたてのバッグはジャムやグミのような香りがするという。
Sonnet155は、使っていくうちにだんだんと分解されていき、最終的には土や水の中で完全に分解される。使い終わったら植物の肥料にしたり、同じ製品にリサイクルしたりすることもできるのだ。