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「アート」が行き詰まった社会の変革に必要な訳

東洋経済オンライン 2021/06/07

浮世離れした存在と思われがちな「芸術家」。しかし、クリエイティブディレクター・箭内道彦さん(東京藝術大学美術学部デザイン科教授)は「実はアートこそが立ち行かなくなった現状を打破する鍵を握っている」と語る。今の社会でアートができることとは何か。その役割と可能性とは?23年にわたりNHK「クローズアップ現代」のキャスターを務めた国谷裕子さんが、“最後の秘境(?)” 東京藝術大学の12人の教授たちと語らい、「芸術=アート」を窓として現代の日本社会を覗き込む企画「国谷裕子のクローズアップ藝大」を書籍化した『クローズアップ藝大』から対談内容を一部抜粋、再構成し、全3回配信でお届けする。

あの「クローズアップ現代」の国谷裕子が藝大に

箭内 道彦(以下、箭内):NHKの「クローズアップ現代」が23年の幕を閉じて、国谷さんはこれからどうするのかと思っていたら、「あっ、藝大にいた!」っていうのがすごくびっくりでした。そもそもなぜ藝大の理事になられたんでしょうか?

国谷 裕子(以下、国谷):ちょうど澤和樹先生が学長になられる時に私は「クローズアップ現代」を辞めて、いろんな学校、大学からもお声をかけていただきましたが、最初に声をかけていただいたのが藝大だったんです。なぜ声をかけられたのか不思議でした。

実は、あとでお話ししたら、澤先生が、藝大と社会をもっとつなげたいと。藝大が最後の秘境みたいに世の中と切り離されていてはサステイナブルではない、もっと社会と藝大の接点を増やしたいと思われていたらしくて。ずっと「クローズアップ現代」を見てくださっていて、なにか思われたのでしょうか、声をかけていただいた。

初めてご挨拶に行った時に、とても不思議なご縁があることがわかったんです。澤先生は和歌山ご出身で、私の母も和歌山出身。話をしていたら、「お母さまのお名前は」って聞かれて、「和中」っていいますって答えたら顔色が変わった。私の祖父の名前が和中金助というんですけれど、「僕の最初の後援会長でした」って。

箭内:えー、そうなんですね。

国谷:はい。祖父が後援会長。それはまったくご本人も知らないで声をかけてくださって。とてもご縁を感じたというのと、それに藝大にはあこがれがありました。私もアメリカの大学でシルクスクリーンなど、いくつかアートの単位を取りました。でも、芸術家の方々は近寄りがたいものがあると思え、東京藝術大学は遠い存在。一方で、「クローズアップ現代」をやっていて、イノベーションや素晴らしい発想など、さまざまな意味で人を結びつけるアートの力をもっと活用しなければいけないということは以前から思っていました。

それで、あこがれのところから声をかけていただいたならやるしかない、むしろやってみたいと思いました。素晴らしい先生方がいらっしゃるだろう、人との出会いも楽しみで、そういう場にちょっとでも接点を持てたら学ぶことも多いし、もしお役に立つのならと思いました。

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